ほんとは知らない徴用工問題
徴用工問題について、議論したくても実はよく分からない。
そんな方のために簡単に解説してみます。
日本と韓国はもともと1つの国でした。
日本は戦争が激しくなると、国内の労働力不足のために国民を軍需産業などで働いてもらうため国家総動員法という法律を作りました。
国家総動員法に基づいて、国民徴用令が定められた。
当時、国内の労働力が不足して、女子学生が軍需工場で工員として働く、というような状況を想起していただきたい。
無償ではなく、当然賃金が支払われる筋合いのもので、日本人が働いた。
このような日本人の中に、戦争後に韓国籍となる当時の日本人もいました。
これが、今日の韓国の徴用工裁判の原告になります。
戦争が終わり、日本はGHQの統治下に入り、国際社会からは一旦、敗戦国として外されました。
1951年のサンフランシスコ平和条約によって、国際社会に復帰し、新憲法の元、独立を回復しました。
その間、韓国も1948年に建国されました。
日韓は国交がなく、十数年経過します。
1965年日韓基本条約が結ばれて、日韓は国交を結びます。
その際、日本の1910年から1945年までの統治時代の両国の財産の清算がされたのです。
つまり、1つの国と1つの国民であっものが2つに分かれたわけですが、日本の敗戦という特殊な分かれ方をしたため、戦後のどさくさでキチンと分別されないまま時が経過していたのです。
ここで誤解しやすいのですが、戦争の賠償がされたと勘違いしやすい。
もともと日韓は戦争はしていません。
韓国は、日本の敗戦直後から戦勝国として振る舞おうとしますがGHQから拒否されます。
日韓基本条約に付随する請求権規定は、日韓併合時代の清算の問題であり、日韓が新しい国としてそれぞれスタートをした後の日韓の外交関係のあり方を再設定する意味合いのものでした。
相互に新しい国として、国交を結ぶ上で必須な取り決めだったのです。
韓国側は、交渉に際して日韓併合時代の賠償を求めます。つまり、戦争をしていないのにも関わらず、戦争当事国であるかのような取り決めをしたかったわけです。
日本側はこれを断固拒否します。
日韓併合中は、日本は莫大な国家予算を半島に投下しており、日本人の法人や個人の資産も半島に残されたままで、日本の敗戦で韓国側にすべて没収された形になっていました。
韓国側としては、日本統治時代を合法と認めたくない都合があり、規定の中で賠償を含ませることで、戦争当事国であるかのような既成事実を得たかったわけです。
国交正常化のための清算が主目的ですが、日本の戦時違法統治などに対する賠償を、名目として盛り込みたい韓国の気持ちは分からなくはないものです。
「請求権規定」という名前がそのまま取り決めの性質を表しているわけですが、賠償権ではなく、もともと日本人であった者同士が分かれてしまった後の所有権や郵便貯金、賃金、債券など、「合法な権利」の清算に関する取り決めというわけです。
分かりやすくいうと、離婚の財産分与の取り決めなのです。日本側は韓国に賠償する筋合いはない、という日本の立場を貫いたわけです。
現在の韓国の政治的な戦略は、日本の植民地侵略の際に、強制連行されて苦役に使役された違法な戦争犯罪に対する賠償を求める、という極めて政治的な色彩を帯びたものになっています。
その背景には、日本がファシズム軍国主義に基づいて、武力制圧し、住民を強制連行して労役に使役した、としたい韓国の思惑があります。
日本は韓国と戦争をしたこともなく、武力制圧しておらず、強制連行もしておらず、日本人なら等しく服した賃金ありの労働の問題です。
戦時中の半島は前線から遠く離れた安全地帯で、軍隊は二個師団ほどしかおらず、日本の国民学校、病院、交番などが整備されていました。
かくゆう私の親族は、戦時中、静岡県の軍需工場で銃弾を作る工場で働いたそうです。
安倍総理が徴用工問題の呼称を修正して、「旧朝鮮半島出身労働者問題」とした真意はここにあります。
徴用工問題とは、賃金が支払われなかった半島出身の旧日本人の未払い賃金の支払い請求の問題に過ぎません。
日韓請求権規定では、日本が韓国政府に未払い分を一括で支払い、韓国政府が日本政府に変わって支払うことが取り決められたのです。
日本は半島に残された資産を放棄しました。
余計ですが、韓国の判決に従うならば、敗戦前に半島に不動産などの財産を所有していた法人や個人の日本人は、韓国で裁判を起こせば現在の韓国から取り戻せるはずです。
その総額は韓国経済を破綻させることができるほどのパンチ力を持ちます。